DBTLアプローチとは?
合成生物学の特徴の一つは、設計された生物学的経路における構成要素の設計と組み立てに、合理的な原則を適用する点にあります。しかし、合理的に設計された場合でも、外来DNAを細胞内に導入した際の影響を予測することは困難な場合があります。そのため、望ましい結果を得るには、複数の組み合わせを検証する必要があります。DNAパーツのモジュール設計を重視することで、個々の構成要素を入れ替えることにより、より多様な構築体の組み立てが可能になります。組み立てプロセスの自動化により、多数の構築体を効率的に作製できるようになり、時間・労力・コストを削減しながら、スループットの向上と開発サイクル全体の短縮が実現されます。
このプロセスでは、遺伝子構築を容易にするために二本鎖DNAフラグメントが設計されます。組み立てられた構築体は通常、発現ベクターにクローニングされ、コロニーqPCRや次世代シーケンシング(NGS)によって検証されます。ただし、ハイスループットなワークフローでは、この検証ステップが省略されることもあります。合成された構築体は、さまざまな機能アッセイで解析されます。アッセイ結果から得られた知見をもとに、構築体は修正・最適化されます。このようにして、目的とする機能を発揮するDNA構築体が得られるまで、設計・構築・評価・学習(DBTL)サイクルが繰り返されます。

ハイスループットモレキュラークローニングワークフローのためのDBTL(Design・Build・Test・Learn)アプローチ
ストレインエンジニアリングで用いられるDBTL(Design・Build・Test・Learn)アプローチは、大規模で多様な生物製剤のライブラリーを設計・開発する上で、ほぼ無限の可能性を秘めています。このためには、ヌクレオチド転写産物、タンパク質、代謝産物などの標的分子の生産性を高めるために、ロバストで再現性の高いハイスループット モレキュラークローニングワークフローが必要になることがよくあります。合成生物学の成功は、しばしば微生物の力に依存しています。滅菌ピペットチップ、つまようじ、または接種ループを使用する形質転換された細菌コロニーの従来のスクリーニング方法は、人為的ミスが起こりやすく、労力と時間がかかり、モレキュラークローニングワークフローのボトルネックになります。
完全自動化モレキュラークローニングワークフローのための
統合システムソリューションの例